56歳 女 夫、姑の本性を確信し、そして割り切ることで復縁を決心


中高年世代にあたる専業主婦です。

時折、パートやアルバイトを不定期にしています。

20代になる未婚の子供と夫との3人暮らしです。

夫とは大学時代に友人の紹介で知り合い、5年程の交際期間がありました。

付き合っている頃は、大したケンカをすることもなく、そこそこ仲の良いカップルでした。

地味なタイプでよく言えば真面目、悪く言えば融通の利かない男性ではありました。

私が21歳ころになったとき、夫の母親から卒業したら「結婚したらどうかしら」との話もあり、それから3年後私たちは結婚をすることになりました。

夫は26歳でした。

男性としては早い年齢での結婚です。

姑となる夫の母親からは別居でよいと聞いていました。

結納も終わり、数か月後に式を挙げるという頃になって、姑の態度が豹変しました。

舅が長年の患いを悪化させて、亡くなったということもあり強硬に同居という案を推し進めてきました。

それ以外にも結婚式についての私が着用する衣装や引き出物、招待客数にすべて口を挟みだし、それに閉口した私は言い争いもしましたが、結局は姑のいいなりになっていきました。

夫は何も言ってはくれません。

ともすれば、母親の言うことを聞いてやって欲しいような空気を醸してきます。

招待状も全て送ってしまい、初めて私はこれでよかったのだろうかと疑問が心の中にふつふつとわいてきました。

それでも24歳になった秋に挙式、新婚旅行と傍目には滞りなくおこなわれ、同居生活に入りました。

食事や掃除、買い物その他姑の病院への送り迎えがすぐに私の肩にかかってきました。

なかでも問題になるのは食事内容です。

味付けが、全く気に入らないようです。

姑の口には合わないようで、残されることや、文句をつけられるのは毎日のことです。

薄味で過ごしてきた私と濃い甘辛味が好きな姑とは決定的に合いません。

その他、私がそのころ続けていた仕事も辞めてくれとのことです。

そして姑は家事は一切しません。

特に料理が大嫌いとのことで、いつも居間に座って和菓子を食べながらお茶を飲んで、私の姿を見つけると世間話をするふりをして、小言に誘導していきます。

仕事から帰宅した夫に毎日のように、姑のことを相談しても馬耳東風でした。

たまりかねて、夫宅を飛び出し、実家に私は戻りました。

両親は私の疲弊した姿を見て、離婚しなさいと役所から離婚届を持ってきて、私を伴い夫宅に出向きました。

姑は離婚に応じたそうでしたが、夫は頑として首を縦にふりません。

固い職業に就いているので、戸籍を汚したくなく、世間体は取り繕いたいのでしょう。

その時、夫はやっと重い口を開いてすぐに別居の手配をすると言い出しました。

姑は大変驚き泣き出しましたが、夫は知らぬ顔をしています。

私自身も一瞬どうしたらよいのか頭は真っ白になりましたが、実家に戻っても兄弟たちがおり、長く居続けるわけにもいかないという現実もあります。

今すぐに私一人で独立するには経済的にも身体的にも無理な現状でもありました。

とりあえず、「別居をするなら、」と離婚を寸前で回避することにしました。

それから、数十年経ち、現在姑はもう故人となっています。

夫の自己保身に利用された私の人生だったのだなと実感しています。

心身ともに自分で生きていけるだけの力量を持った者だけが、本当の幸せを手に入れられる社会なのでしょう。